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ちょっと一言スペシャル。 じぇーつーリーグ。日本むつかし噺
◆2002年10月17日、某所での出来事◆ コンコン。 「ああ。入りたまえ。」 「失礼します」 「用事とはなんでしょうか?失礼ですが、忙しいので手短にお願いしたいのですが。あ、それとこれ、お土産です。」 「そうか、手短に済ますのはこちらとしても願ったりだ」 「では、結論から言おう。キミのとこのチームね、来年もじぇーつーでやってもらうことになったから。
じゃ、そういうことでひとつよろしく」 「ちょ、、、ちょっと待ってください。《ひとつよろしく。》じゃ無いでしょう。意味が分かりません。今私たちは じぇーわん にいこうと皆必死でやっているんですよ、それを一方的に、、、」 椅子男は《やれやれ》といった表情をして再度座りなおし、男の顔を見据えて言った。 「申し訳ないがね、これはわが協会全員一致の決定事項なのだよ」 「り、理由はいったい何なのですか?」 「理由かね。。。」 「な、なんですか?これは。」 「まだシーズンは終わっていないが、とりあえずここまでの試合の、じぇーつー各チームのホーム試合で一番観客が多かった日のリストだよ。たとえば、新潟コシヒカリーズで言えば、8月10日のオオハクチョウスタジアムでの試合が観客数42,211人でじぇーつー観客の最高記録、それだけじゃないぞ。ほうとう甲府の9月21日コセでの13,000人はチーム始まって以来の記録だ、もっとも、この人数、途中でカウントするのが面倒くさくなって数えるのをやめただけで、本当はもっと入っていたようだかな。それだけではない。大分ペンキ職人の9月28日大目スタジアムで27,431人、つい先日の川崎石油コンビナーツの轟競技場では20,405人。このふたつもチーム始まって以来の観客動員数なのだよ。」 椅子男は、コホンとセキをしてして続けた。 「わかるかい?今年はじぇーつーは観客数が記録更新ずくめで関係者はウハウハなのだよ」 椅子男は、ふと《ウハウハ》という言葉は死語だったかな?と、恥ずかしくなり、ちょっと赤くなった。 「そ、それが、私たちタコヤキーズ大阪がじぇーわんに行けないのとどういう関係があるんですかっ!?」 「キミはまだ分からんのかね。もう一度その紙を良く見てみたまえ。それぞれの観客記録を作ったときの対戦相手をだ」 男は、ハッ として再度紙を見た。
2002年10月17日現在での
椅子男はニヤリと笑って男に言った。 「わかったかね? つまり、キミのチームが対戦相手になることで、たくさんの観客を呼ぶことが出来るのだよ。ま、ひとつだけキミんところが対戦相手じゃなかった記録があるが、なぁに、これは理由がはっきりしている。蹴球世界大会の後で、その試合会場としても使われた《さいたまスタジアム》で試合をしたためにスタジアム見物人が多く訪れた。というだけだよ。ま、私ははじめからキミのチームとの対戦のときにさいたまスタジアム使え。と忠告しておいたのだが、スケジュールがあわなかったようでね。」 「。。。。。」 「これで言いたいことは分かってくれたかな?再度確認のために言っておくが、キミのチームがいることで他チームはたくさんの観客を呼ぶことが出来てたいへんありがたがっているのだよ。あまり大きな声では言えないが、最近、各チームのフロントが私のところに来てねぇ、《ぜひ大阪をじぇーつーに引き止めておいてください》と懇願していくのだよ。なにしろ、来年来そうな、味噌ラーメンチームも、もみじ饅頭チームも、とても他チームの観客動員に貢献しそうな気配はないしねぇ。。」 椅子男は ひっひっひ。と自嘲的な笑いを浮かべた。 「納得できませんっ!大体、観客数うんぬんを言うのならば、コシヒカリーズをひきとめておいたらよいじゃないですか?あそこ、きち●いじみたほどお客さん入ってますよ。」 そう男が言うと、椅子男は焦った表情をして奥に続く部屋のドアをちらりと見た。冷や汗がじわりと出てきたが、それを隠すかのように話を続けた。 「あーだめだめ。わが協会にもいろいろと今後の戦略というものがあってな。まず基本的に日本全国から均等にじぇーわんにきてもらったほうが良い。と、まあ、そういう意向なのだよ。ほら、去年は《東北からじぇーわんに》ということで牛タンを引きあげた。今年は日本海側からひとつあげようということになってね。それと、九州からもひとつきてもらう。」 「そ、そんなぁ。。大体ですね、うちはついに爺子(じいこ)に《じぇーつーの選手はいりません》て通告受けて、モリシマもニシザワも、もはや「元」代表でしかなくなったんですよ、来年の人気なんて、、、」 「なあに、悪いようにはしないよ。その点については手は打ってある。なにしろキミのとこの人気を持続してもらわなければわれわれとしても困るからね。 ま、これはまだ未決定だが、爺子(じいこ)はオリンピックの監督はしない方向でいる。つまりだね、オリンピック選手の選出に関しては、、、ふっふっふ。わかるだろ。キミんとこのオークボとかネモトとか、いい若手選手いるじゃないか。それに、オリンピックにはオーバーエイジ枠もあるわけだしね。さーて、誰を選ぼうかねー、、、、ひっひっひ。」 「お断りしますっ!」 男はきっぱりと宣言し、立ち上がって部屋から出て行こうとした。 「ふ。果たしてキミひとりのチカラでどうにかなるかな?これはもう皆の決定事項なのだよ。ひっひっひ」 椅子男の笑いを背に、男はがちゃりとドアを開けた。。
「。。。いーくーなー。。。。」 「。。。いーくーなー。。。。じぇーわんに いーくーなー。。。」 「ひっ ひーーーっ!」 絡みつくたくさんの手の主を見ると、、、そこには、納豆男・ほうとう男、だだ茶豆男、明太子男、、、そのほか大勢が自分を取り押さえようとしていた。 「くっ、くそー。離せー、離してくれー。われわれはじぇーわんに行くんだー。行かせてくれーっっ!」 しかし、大勢に取り付かれて男の声は徐々に小さくなっていった。 「う、うわぁぁぁ、や、やめろぉぉぉぉぉぉぉ」
「ふうっ。これで終わったな」 椅子男は額の冷や汗をぬぐって奥の部屋へと続くドアを開けた。そこには一人の男が座って待っていた。 「お待たせしましたな」 「いえいえ。こちらこそ、わがままを聞いていただきまして、まことにありがとうございます」 「内容は聞いておられたと思いますが、あんなものでよかったかな?」 「ええ、そりゃもう、充分でございます」 男は持っていた風呂敷をほどき、箱を取り出して椅子男に差し出した。 「椅子男様、これはつまらないものですが、今回のお礼でございます。どうかお受け取りくださいまし。」 「ほう?これは何かな?」 「これはまた、おたわむれを。椅子男さまが大好きな、山吹色のお菓子でございます」 椅子男は満足そうな笑いをうかべ、その男に言った。 「ふっふっふ。そちも相当な悪よのぉ、、、、、、、、、、 、、、、、、、 、、、、、、、 、、、、、、、 、、、、、、、 なあ? 越後屋よ。」 「そういう椅子男さまこそ、なかなかでございます」 わっはっはっはっは。 二人の笑いが夜の空に響いていった。
※データ以外はフィクションです。 |