あんなブーイング
意味ねぇよ。

まず最初にお断りしておくけれど。 以下は別に鹿島サポを挑発しているのでも、もちろんバカにしているのでもない。   ではなぜぐだぐだと書く気になったのかって言うと、実は私は、本を読んで鹿島アントラーズと地域とのつながりを知って以来、鹿島さんには敬意をもっていて、だからこそ、水曜日は考えることが多くあったのだ。

詳しくは省くが、静岡、あるいは浦和のような、サッカーそのものが根付いていた地域にできたクラブではなく、そして、大都市にあるクラブでもなく。 でも、地域がクラブを作り上げたと言う点で、鹿島は私の中でとても気になっていたクラブだった。  環境だけ見たら新潟と同じじゃないか。

鹿島アントラーズのホームタウンは、ふたつの市とふたつの町を合わせて四つある。 でも、四つ合わせても人口たかだか18万人だ。 新潟の方が3倍もいる。

そして、スポンサー。
新潟に比べれば大きい。 でも、自動車メーカーを背後にするあそことかあそことかあそこにくらべれば、必ずしも金満てわけじゃなさそうだ。

それでいてあの安定した実力(今年は今のところ苦しんでいるようですが)。 すばらしいじゃないか。 本気でそう思っていた。

『鹿島サポーターの応援はすごいよ。迫力あるよ』  って、耳にしていた。

だからこそ、カシマスタジアムで素敵なアウェーに出会えることを、とても楽しみにしていたのだ。

かつて鹿島は小規模なスタジアムながらも常に満員だった。 ワールドカップ開催に合わせて大拡張した。 誰もが毎試合数万人の鹿島サポーターで埋まるものだと思っていた。  しかし、

「鹿島の観客数が減っている」
私が読んだ本には、鹿島フロントの危機感がにじみ出ていた。  ただ、それについては部外者の私がとやかく言うことではない。

さて、先日の試合。
平日の、それも雨の中。

観客数が8000人強。 新潟ファンを除いたら鹿島サポは8000人を切っていたかもしれない。 もちろんそれはいろいろな事情があるだろうから、数値だけをとらえてとやかく言うつもりはない。 新潟の動員数を自慢するほど私はガキじゃない。 (というか、本来Jリーグ平日で8000人も入れば充分多いのだけれどね)

ただ、それを踏まえた上で、  でも言わせていただく。

 

がっかりしたんだ。

 

 

言っておくが、鹿島サポーターの応援にがっかりしたんじゃない。

応援は、「なるほど。すごいな」 って、率直に思った。

でも、

なんなんだ?

「相手選手がボール持ちましたよ。じゃあ皆でブーイングしましょう
っていうあれは?

(注:以下これを じゃあブー と略)

 

※後日追記・・・掲載後に鹿島サポの方から掲示板に頂いた書き込みでは、実際に上記のようなのべつまくなしのブーイング(鹿島内では「ムームー」言っているから「むー民」と名づけているようです)をしているのは、ゴール裏の中でも推定2〜3割くらいじゃないの?とのことです。

ごく普通に疑問に思ったのだけれど、カシマスタジアムで新潟を応援していた人に聞きたい。

「じゃあブー」に、威圧感を感じましたか? おしっこちびりそうになりましたか? やる気をそがれましたか? 新潟に逃げ帰りたくなりましたか?

私なんて、屁でもなかった。

逆に、「ワンパターンだな。 うるせーな。 よーし、黙らせてやる」と燃え上がった。 (もしかしたら、これは鹿島サポからの「試合を盛り上げるためのプレゼント」なのかと想像していたくらいだ)

アウェーに乗り込むってことは、気分をいつもよりも高揚させていくってことだ。 体と脳からアドレナリンとドーパミンを ちゅーちゅーと放出させることができないヤツは、アウェーになんか来ずにテレビで観戦しているほうがいい。

アルビが試合に負けるたびに 「相手にブーイングしないからだ」と主張する人がいる。 それに対してブーイングは嫌いだと反論する人がいる。   こうなると「推測を基にした主張と、好き嫌い」の問題になって、いつもいつも話がループする。

私は、「それについてはよくわかりません」という立場だったので、今まで自分の中で明確に結論を持たないでいたけれど、今回、身を持って理解した。

満員のスタジアム八方から、真に怒気を含んだ罵声が飛んでくるのならまだしも、
「相手選手がボール持ちましたよ。
じゃあ皆でブーイングしましょう」なんて、あんなの


意味無し。
効果無し。
やるだけ無駄。
無駄に疲れるだけ。

のほほん♪としている私ですら、「じゃあブー」なんて屁でもなかったんだ。  ましてやプロスポーツの選手たちが、 相手のファンから口先 「ブーーー」て言われただけで戦闘意欲がなえるなんて、ありえない。 絶対にありえない。 豚の生首でも投げ込むのなら、また話は別なんだろうけれど。

対戦相手側のゴールキックやコーナーキックの時やラフプレー。 あるいは納得いかないジャッジに罵声を飛ばすのは充分わかる。 というか、私もやる。だって腹が立つもの。怒るもの。   ただし「ブーーー」 なんてしょーもないことでなく、あくまで言葉で「罵声」を浴びせている。

試合は進んでいるのに、ボールは動いているのに、ゴール前に詰められているのに、自分たちの愛すべき選手たちを応援するよりも、相手選手にブーイングすることを優先する姿を見て、 新潟はああなってほしくないな。 と思った。  される側の立場になって、「じゃあブー」なんてかけらほど意味無いことだというのは、とってもよく理解できた。

これはこちらの勝手な推測だけれど、鹿島ゴール裏だってすべて人が、あの「じゃあブー」に共感しているわけじゃないと思うが、どうなんだろう?

平日、雨のカシマスタジアム。

ゴール裏はほぼ満席なのに、スカスカでガラガラのメインスタンドとバックスタンド。たぶんここには、家族連れとか仕事を引退した方々たちがたくさん座っているはずの場所なんだと思う。  平日だし、雨だし、J1では席割りが細かいということもあるのだろうけれど、J2に比べると、ゴール裏ばかりに観客が入っている風景はとても異様に見えた。

最近の新潟の、暴力的でいきがった輩に嫌悪を感じていた。 ビッグスワンをこの水曜日のカシマスタジアムみたいにしたいのか。

クラブが強くなるためにはお金が必要だ。 観客席は常に満員であることが望ましい。

サッカーファンとか、コアなアルビファンだけでビッグスワンを満員にできるのならば、別にどんなにいきがっても、ささくれだってとげとげして暴力的な雰囲気であってもかまわない(私は行かなくなるだろうけれど)。 けれどそんなの非現実的だ。 都心にあるクラブなら有名選手と強いクラブでお客さんを呼ぶことも可能だろう。 でも、新潟はそうじゃない。田舎のクラブだから、ライト層にも沢山来てもらわなければ席は埋まらない。

ライト層は、ある意味コアなサポよりもマイチームを応援することに関して純粋だ。 相手選手とサポに罵声を浴びせてプレッシャー与えて勝ちを奪おう。 なんて想像しながらアルビを応援する家族連れがいるとは思えない。

「別にメインやバックのお客さんを楽しませるために声を枯らしているわけじゃない」という理屈はわかる。全くのその通りだ。 でも、最近思う。

クラブをサポートするというのなら、観客のひとりひとりが今のこの状態、つまり、幸運にも毎試合満員のスタジアムをどうやって持続していくかも、ちょっとは考えたほうが良い気がする。  スタジアムの雰囲気を作っているのはフロントでも営業部でもマスコミでもない。 私たちひとりひとりだ。

ブーイングが目立つ応援は、はたしてライト層のお客さんを呼びうる手段になりえるか。

 

 

人は、楽しくないことにお金は出さない。足を運ばない。

いつのことになるかわからないけれど、将来。 お金があればメインスタンドから。 なければバックスタンドからでかまわない。

 「ほら、オレンジの人たちの応援って、すごいだろ」 と私の孫に自慢できるような、そんな素敵なスタジアムでありますように。